フレーバーコーヒー、と言うのを買ってみた。カルディで売っていた安価なインスタントのもの。ヘーゲルナッツのフレーバーのものを選んで試しに淹れてみると、確かにコーヒーにはないような甘い匂いが漂ってくる。ナッツ……と言うよりはバニラの雰囲気だが。いつものコーヒーの渋い香りと、鼻腔を焦がすような甘い香りが合わさって独特の安心感を与えてくれる。ものの匂いで何かを感じたのは久しぶりだな。
香りの甘さに対して味はかなりすっきりとした控えめな印象。甘くて重い香りと苦くて軽い風味が交互にやってきて、なんだか癖になる。
夕方、自室でコーヒーを飲みながら読書をする……なんとなくカッコいい気がするからそうしているだけ。いつもの生活に香りと味の二重奏を足しただけなのになんかちょっとゴージャスな気分になる。
研究室の同期に、高校時代の先輩がいた。大学に入るときに浪人したから僕と同じ学年になっている。
それなりに関わりが多い人だったからつい敬語を使ってしまうけど、向こうは「もう使わなくていい」と言ってくれている。なかなかの無理難題である。
例えば浪人した高校の同級生に対して「学年が低くなったからこれからは敬語を使おう」と言うことはないので、学年の差の有無で敬語を使い分けるのは不思議な気もするが……
まあ、どういう雰囲気で話をすれば円滑に回るのか、というだけの話ですわ。
大学の敷地の入り口にいる警備員さんがリズミカルな背伸びをしていた。立ってることが重要な仕事だが、ただ立ってるのにも飽きたんだろうな。
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